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  • 執筆者の写真麻美 木村

和田先生のこと


教員を退職し、子育てに専念していた時期、今から15年ほど前でしょうか? 地域の子ども達がお習字を習いたい というので、福岡県アンビシャス活動から助成金を頂き、お習字教室を始めました。 その時講師で来ていただいたのが和田先生です。 書道   篆刻  水墨画   パソコン  囲碁   歴史、どれを取っても超一流、スーパーおじいちゃんでした。 特に囲碁は、福岡でもかなりお強かったらしく、よく海外の方とパソコンで対戦していました。 お子さんがいらっしゃらなかったので、地域の子ども達を自分の子供のように可愛がって下さいました。 息子はよくオセロで遊んでもらったのですが、先生は接戦まで持っていって、ギリギリの所で負けてあげるのです。 接戦で勝つというのは媚薬ですね。 気分を良くした息子は、もう1回、もう1回、と何度も対戦し、気付けば私は全く敵わなくなってしまいました。 若い母親だった私には、子供に負けてあげるなどという発想は全くなく、年の功とはこういうことを言うのだとしみじみ思ったものです。 その先生が、一昨日お亡くなりになりました。 1週間程毎日、当時のママ友達とお見舞いに行きました。 奥様を早くに亡くされ、お子さんもいらっしゃらないので   行ける時にはと相談しての事だったのですが、その心配は要りませんでした。 いつもどなたかが来ていて賑やかなため、病院の先生が、どういう方だったのかわざわざ聞きに来られるくらいでしたから。 最後の最後まで、生き様を見せてくださった先生。 今日のお葬式に息子と行きました。 沢山の人とともにお別れをしましたが、やはり、寂しくてたまりません。 上の色紙は、中学入学の時に頂いたもの。 病院に持って行って見せると、話せない先生は文字盤で 「達筆やなぁ」と 最後までユーモアを忘れない、素敵な先生でした。



公開日:2019年03月27日(水)


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