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執筆者の写真麻美 木村

本と国語と私

星の王子さま 私が生まれた時、父がいつか読んであげようと買った本だそうです。 漢字が分からなくても読めるように、青いインクで読みがなが振ってあります。 私の原点のような本です。 小3の時、コナンドイルの「まだらの紐」を立ち読みして以来推理小説にはまり、アガサクリスティー      エドガー・アラン・ポー     果ては横溝正史まで、読み漁りました。 今でも サスペンスドラマは途中20分で犯人が解ってしまうという、何の自慢にもならない特技を持っています。 高校に入ると、歴史小説に転向。 当時「歴女」などという言葉はありませんでしたので 「おじさんみたい」と言われながら司馬遼太郎の本を読破。 司馬先生の卒論を書きたいばっかりに、日本文学科に入学。 夢叶って、卒論は司馬遼太郎 「国盗り物語」 先生から「大衆文学はね〜」と渋い顔をされながらも、私はこの為に大学に入ったんです  と押し切りました。 高校は、地元の進学校に入ったものの、成績は全く振るわず。 芸術系も体育系もさっぱり。 国語と歴史以外は。 だから、分からないのにずっと座っていなければならない子供の辛さがよくわかります。 逆に歴史の時間、もっと突っ込んで勉強したいのに、通り一遍しか教えてもらえないまどろっこしさも経験しました。 振り返って考えるに、好きな国語が仕事になっている私は、本当に幸せ者だと思います。 いや、仕事というよりも、私にとっての国語塾は、 まだらの紐を初めて読んだ時の高揚感や、星の王子さまに詰まった、子供時代の充足感を再体験する場のような気がしています。 メソッドを考えるのも、子供と国語を遊ぶのも、ただ楽しいだけ。 この特徴が、生まれつきのものだったとしても、その芽に水をかけてくれる人達がいたから、ずっと好きでいる事ができました。 だから、その喜びを子供たちにも伝えたいのです。 世の中は沢山の興味深い出来事で成り立っていますから、皆がみんな、国語が大好きにならなくてもいいと思っています。 でも、ご縁を頂いた子供たちには、「素敵な国語の世界にようこそ」と両手をいっぱい広げて言ってあげたいのです。



公開日:2018年10月22日(月)

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